2021/09/06 12:08




フランス北東部、ミュールーズからコルマールをさらに北上し、ストラスブールまで南北約100kmにわたる産地「アルザス地方」。

 

平均年間降雨量は607mmとフランスのワイン産地では特に少ない産地で有名。

(ボルドーで約950mm、ブルゴーニュで約700mm、ジュラで約1200ml

 

アルザスの秀逸な生産者は、沢山存在します。。

 

ヴァインバック、トリンバック、マルク・クライデンヴァイス、ツィント・ウンブレヒト、アルベール・ボクスラー、マルセル・ダイス、アルベール・マン等、既に世界的に地位を確立している生産者は勿論ですが、ローラン・バーンワルトやクリスチャン・ビネール、ジュリアン・メイエー、リエッシュ、ガングランジェ、カトリーヌ・リス、ピエール・フリック・・・等どんどん出てきますw。

 

今回ご紹介する生産者は、今までで一番抜栓のタイミングを間違えたワインの生産者であり、今までで一番感動を与えてくれたアルザスの生産者。

 

同じ考えの方は、多々いらっしゃると思いますが、私の中では、唯一無二。

 

熱狂的なファンの多い生産者。

 

「ジェラール・シュレール・エ・フィス」

 

コルマールから南西へ約6kmほど下ったユスレン・レ・シャトー村に拠を構え、除草剤・化学肥料不使用、温度管理をしない野生酵母のみで発酵を行い、素晴らしいワインを醸しています。

 

初めて飲んだのは学生時代、彼のワインを数ヴィンテージ同時に試飲する機会があった時、一通り試飲した後の感想が・・・

 

「本来ワインとはこういうものであるべきなのかもしれない。」

 

とメモを取った思い出があります。

 

何十年にもわたって一度も除草剤、化学肥料を使っていない健全な畑、低収量で濃縮度の高い葡萄、極少量の酸化防止剤の添加により醸す彼らのワインは、毎年の葡萄の状態を楽しんでいるかのように私たちに様々な表情を見せてくれます。

 

現在はジェラールの息子「ブリューノ・シュレール」が醸造を担当。

 

沢山のキュヴェをリリースしているジェラール・シュレールですが、彼らのワインは総じて、高い総酸を感じさせない厚みのあるピュアな果実味を存分に感じる唯一無二のワイン。

 

彼らのワインは全て好きなのですが、彼らを代表するラベルの一つである「ル・ヴェール・エ・ダン・フリュイ」は必ず経験してほしいワインの一つ。

 

若いうちは、ミネラリーで強靭な酒質を感じるパワフルな味わいで、年月を経るにつれ、溢れんばかりのピュアな果実味を感じるワインへと変化します。

 

Pfersigberg(フェルシックベルグ)のグランクリュの ワインとして造られたが、余りにも独特なためINAOに グランクリュのAOCに認められなかったキュヴェ。Le Verre est dans le Fruit=フルーツの中に虫がある。と 言う意味=内部に崩壊の兆しを含んでいる。(この果 実は虫が喰っている)解釈は「あまりに美味しいから 虫が食べた」と、「大きな組織(INAO)のなかには虫 が食うような体制がある」=組織崩壊を意味する、ブ ルーノの皮肉。キュヴェ名はお気に入りらしく、2012 年以降Pfersifbergを名乗れたとしても、Le Verre est dans Le Fruitを名乗っている場合もある。ラベルの絵 のフルーツは桃Peche=グランクリュのPferaigbergを 表しています、アメリカの漫画から見つけた絵だそうです。

(輸入元資料参照)

 

数カ月前にリリースされた2019年の入荷。

 

絶対に追い続けるべき生産者です。

 

最高です。

 

Gérard Schueller et FilsFrance / Alsace

 

Riesling "Le Verre est dans Le Fruit"2019 750ml (Riesling)