2021/07/06 13:08

ピエロパンのカルヴァリーノとラ・ロッカ、アンセルミのフォスカリーノとカピテルクローチェは尊敬に値するヴェネトガルガーネガだと断言する人は多いと思いますが、僕が常に追いたいと思わせてくれるガルガーネガは、やはり今回ご紹介する



「ラ・ビアンカーラ」



私の印象は、国内の評価の高いお店のバイザグラスで頻繁にみるこのラベル。



国内でもファンが多いカンベッラーラに拠を構えるアンジョリーノ・マウレの「ラ・ビアンカーラ」。



「栽培方法」は、完全無施肥から、ビオディナミに切り替え、EM菌も試し、ブドウ樹に対する栄養供給の目的ではなく、地力回復、微生物叢のバランスを整えるために自家製の純植物性の完熟堆肥を、地力が弱いと判断した区画にのみ施肥。

「農薬」は、当初から除草剤などの農薬は使わずに、ボルドー液(ブドウ栽培において、様々な有機農法の認証団体が唯一使用を許可している農薬)のみを使用していたが、ビオディナミ調剤を試したり、EM、様々なハーブなどから作る煎じ薬を撒いたりと、ボルドー液さえも排除した農業を目指している。

「醗酵方法」は、当初はプレスして出てきたモスト(ジュース)だけを使用して、いわゆる白ワイン的な造り方をしてきたが、グラヴナーやラディコンらと共に皮ごとのアルコール醗酵を試し始める。しかし長期間の醸し(マセレーション)には疑問を持つようになり、醗酵の初期段階1〜2日間のみしか醸さないことが多かった。しかし近年はサッサイアの一部で長期間の醸しに再挑戦。

「酸化防止剤」は、当初から少量しか使用していなかったが、サッサイア2002の一部を完全無添加でボトリングを始めたのを機に、いまやサッサイアは半量を無添加でボトリング。マシエリにも無添加を試し、ピーコや赤ワインなどもヴィンテージによっては完全無添加でボトリング。目標は全ワイン完全無添加。


私は、間違いなくヴェネトガルガーネガを代表する生産者であると考えていますし、生産者と輸入元双方の努力から現在も非常に良心的な価格であるこのワインが市場に残っている間は、沢山のお店がバイ・ザ・グラスで採用するべきワインだと思っています(勝手に)。



ふと入ったお店のエントリーレベルのグラスワインがこれだったらとても嬉しいし、そのお店に安心感を感じます。



最高です。